Amazon Sumerian を試してみる:XRの基礎知識

最近の話題となっている技術で、AWSサービスとなっている要注意の技術を扱おうと今月実験君していますが、AWSのAIサービスを一周したところで、次はVRと思ったところです。初めに、VRとかARとかXRとか言われている言葉から見てみます。

XRとは?

最近で一番耳にする言葉はVRかもしれませんが、その他にも、AR、MR、拡張VRなどの言葉が使われるようになっています。
XRはこれらを総称した言葉になっています。しかしながら、いつものように定義が曖昧なまま広まって使われている状況です。
初めに、これらの言葉のイメージ付けとなる関係図をあげます。

[XR]:VR、AR、拡張VR、MRと上記のような位置関係にありますが、XRはそれらを含む総称です。

[VR]:現実そのものに、バーチャル世界を持ち込んだもので、まったく現実と違ったものではなく、現実と同じ価値を持つことが重要。

[AR]:現実世界と仮想世界の融合ではあるが、現実世界をベースとしたもの。

[仮想VR]:現実世界と仮想世界の融合ではあるが、仮想世界をベースとしたもの。

[MR]:MRはARや仮想VRのように、ベースを決めたものではなく、リアルとバーチャルの融合をはかったもの。

XRの特徴

体感ができる    ARを用いて、現実の部屋に重ねて、CGの家具を置くなど。仮想からして現実の、ある程度のイメージが確認できる。
安全に経験できる  危険を伴う作業でも、けがや命の危険性のあるところを安全な状態で経験ができる。
条件を変えて試せる バーチャルな現象のパラメータを調整することで、実験的にデータを収集するというようなこともできる。
情報を蓄積できる  試験的に試した事象について、ログを取っておいて、解析することもできる。
作業効率を助ける  選任者でなくても、遠隔操作で一般者で代替するとか、資料がなくても視覚的なフォローで支援できるなど。

XRのイメージとしては

ARとしては、ポケモンGOで、現実風景にポケモンやスーパーボールを表示する機能がありますが、ARの例です。
アニメの世界ですが、ドラゴンボールに出てくる戦闘力を表示するスカウターも、ARです。
医療ドラマなどで見かける遠隔治療などで、音声、映像によって情報を共有しながら、支援して施術するなど、その例です。
― そのような身近な話題になってきているのですね ―

デバイスについて

現在のVRイメージでは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使うことが一番多いようですが、スマートフォンをVRデバイスとして使うものがあったり、HMDでも、コンピュータ機能をデバイスに全て持つものや、デバイスをPCに接続して連携して使うものなど色々ある。

さらに、重さ、手触り、温度、においの検知など、これらを処理結果に反映するなどの別次元の実装が期待されるものです。

Amazon Web Servicesでは、WebVR対応ブラウザ(Google Chrome、Mozilla Firefox)を使って、特別なデバイスがなくても
Amazon Sumerian という 3D、拡張現実 (AR)、仮想現実 (VR) アプリケーションを作成する実行環境を提供するサービスがあります。

Amazon Sumerian

新次元のウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションを作成できます。没入感のある 3D 体験を、ウェブ上で表現できます。
Sumerianは、AWSの各種サービスと統合されていて、機械学習やチャットボット、コード実行などの機能に簡単にアクセスできます。
ブラウザにURL を入力するだけでユーザに3D体験を経験させられたり、一般的なAR/VR ハードウェア上で実行することも可能です。
3D シーンをウェブページに埋め込むことは簡単で、HTML、CSS、JavaScript が分かれば、スクリプトでより複雑なやり取りも可能です。

Amazon Sumerian の料金

アプリケーション設計/編集に料金は発生しません。
Sumerianによって使用されるストレージ量と3D表示によって発生するトラフィック量に基づいて、課金が発生します。

Sumerianから使用される他のAWSサービス (Amazon Lex や Amazon Polly など) のコストについても料金が発生します。
Sumerian では、12 か月の無料利用枠が提供されています。

Sumerian でアップロードと保存を行う 3D アセットの合計サイズに対して、1 か月あたり 0.06USD/GB の料金が発生します。

シーンのトラフィック シーンによって発生したトラフィックの合計量に対して、1 か月あたり 0.38USD/GB の料金が発生します。

Sumerian 画面/基本操作

なにはともあれ、AWSマネージメントコンソールから、Amazon Sumerian を表示してみましょう!

AWSマネージメントコンソールから、「Sumirian」を選択する。案外、隅にある。 (2021.06.19)
初めに、Sumerianにアクセスしたときの画面イメージです。

●ナビゲーションサイドバーが表示される

●メインビュー

プロジェクト まとまった管理単位、シーンやテンプレートなどコレクション単位。
       開発者同士で共有できるフォルダとしても利用できる。プロジェクト配下に公開URLを定義できる。
シーン    VR/ARコンテンツを構成する部品が配置され、アニメーション定義がされた3D空間。プロジェクト配下にシーンを作成できる。
テンプレート ある時点のシーン
アセット   シーン内にある画像、サウンド、スクリプト。

●詳細ペイン

●シーンの作成

●AWS で 3D、AR、VR コンテンツを構築できる。そのチュートリアルを確認できる。

「最近のシーン」:新規にシーンを作成できる

「代替3Dソリューションに関するチュートリアル」:チュートリアルページに遷移できる

「テンプレートからシーンを作成」:テンプレートからシーンを作成できる
※ Sumirianで用意されたテンプレートや利用者が自分で作成したテンプレートを基にできる。

●ドラフト(下書き)

シーンが作成されれば、シーンの詳細ペインが表示される。

ドラフトは開発者同士の共有場所としては使えないので、共有したい場合はプロジェクトに移動する必要がある。

●ごみ箱

ごみ箱にあるデータは手動で完全に削除しないとストレージには保存されたままになる。
完全削除しないと、ストレージ使用料は発生したままになるので、注意!!